2005年前期の広島大学留学生支援調査
「満足度指標」の分析結果

広島大学留学生センター指導部門 玉岡賀津雄・中矢礼美

調査対象および回答者の属性
 広島大学留学生課より入手したリストに従って,2005年5月1日の現在で広島大学に登録した留学生の746名全員に質問紙を配布した.この内,質問紙に回答したのは211名であった.したがって,有効回答率は28.15パーセントであった.これらの回答者の学籍は,大学院生が126名(59.7%),学部生が26名(12.3%),研究生が42名(19.9%),その他が16名(7.6%)であった.1名の留学生は記述がなかった.出身国・地域は,中国が86名(40.8%),韓国が20名(9.5%),台湾が8名(3.8%),マレイシアが12名(5.7%),インドネシアが8名(3.8%),その他が77名(36.5%)であった.女性が111名(52.6%)で,男性は,100名(47.4%)であった.また,私費の留学生が106名(50.2%),国費の留学生が98名(46.4%)で,無記入が7名であった.また,理系が69名(32.7%),文系が88名(41.7%),その他が37名(17.%),無記入が17名であった.回答した留学生の平均年齢は,29歳11カ月で,標準偏差は5歳4カ月であった.最も若い留学生は,18歳で,最も年長は44歳であった.また,広島大学での在籍年数は,1年10ヶ月で,標準偏差が1年6ヶ月であった.もっとも長いのは,6年8ヶ月という回答者がいた.また,短いのは1ヶ月であった.

質問紙の内容
 質問紙には,留学生の属性として,性別,年齢,出身国・地域,学籍,所属,私費・公費,専門,在籍年数,使用言語などを記入する欄を設けた.質問は,留学生が不満を抱きそうな項目について8種類に絞って,「全くそう思わない」が-2点,「そう思わない」が-1点,「どちらとも言えない」が0点,「そう思う」が1点,「とてもそう思う」が2点で集計した.この配点であれば,マイナスが不満で,プラスが満足を示すので,分かりやすい.また,総合的に判断して,広島大学での学習と生活および大学の授業や研究に満足しているかどうかを同様に判断してもらった. したがって,満足度指標の全体では10種類の質問項目である.

手続き
 各留学生の名前を記入した封筒に,質問紙と学内便による返信用の封筒を入れて,留学生の管理部局から配布していただいた.また,各管理部局には,質問紙の回答箱を用意して,入れられるようにした.さらに,返信用の封筒の表に留学生センター長および指導部門教員の名前が印刷されていたので,学内便でも返送が可能であった.

論文および指導教官との会話での使用言語
 今回の調査では,もう少し詳しく回答者の属性を聞いた.まず,使用言語については,論文で使用する言語は,日本語が110名で,52.1パーセント,英語が89名で42.2パーセントであった.その他の回答は11名で,回答しなかった者が1名であった.回答者からみると,これまでの調査では論文を英語で書く留学生が過半数を占めていたが,今回の調査では逆転して,回答者の過半数が日本語で論文を書いているという結果であった.また,指導教官との会話では,日本語を使用する留学生が138名で65.4パーセント,英語が60名で28.4パーセントとなった.その他および無回答が13名であった.論文の場合と同様に,日本語でコミュニケーションを取るという留学生が多数を占めた.過去2年間のデータは,英語の使用が多数を占めていたことを考えると,近年,日本語で論文を書き,コミュニケーションを取るという新しい傾向が見られた.これは,今回の回答者の過半数が文系の留学生が多かったことも影響しているであろうが,日本語が重視されなくてはならないことを示唆しており,興味深い結果であった.

満足度指標および総合的満足度指標の概要
 10種類の質問について,-2点から2点までの連続変数であると仮定して,平均,標準偏差を算出した.得点は,表1に示したとおりである.すべての満足度指標において,マイナスはなかった.全体的にみて,留学生が広島大学での学習,研究,生活に満足していることを示している.八つの満足度指標のうち,プラスで1点以上になったのはないが,同時に特別低い項目もなく,過去の調査に比べて評価が平板化している.

研究科ごとの満足度指標比較
 学部所属の留学生の回答者数が少ないので,大学院研究科ごとの満足度指標の平均を表2に示した.灰色のセルは,満足度が平均で+1.00以上を示しており,良い評価と考えてよい.白いセルが目立つほど,評価は低いことになる.